コラム『私と世界の靴vol.19~ノーサンプトン博物館編』

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こんにちは、BROSENTの清水です。
今まで世界中の多くの靴をご紹介してきましたが、多くの靴好きの方同様私も基本は英国靴ファンです。
ご多分に漏れず英国靴産業の中心地、ノーザンプトンには憧れたものです。
因みに初のノーサンプトン訪問は相当昔の話ですが、新婚旅行で行ったロンドンのついででした(;^_^A
で、仕事で行くようになって何十回。
そこで今回は私のお気に入りでもあるノーサンプトンの博物館をご紹介しようと思います。

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ロンドンから北北西に向かって電車に揺られること約1時間。
ノーサンプトン州の州都ノーサンプトンに到着します。

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写真は少し前の物で現在は改装され立派な駅になっています。
でも私のイメージはこちらなので、こちらの写真を使ってみました。

ニュータウン法に指定され人口も20万人いるとのことですが、メインストリートでも人はまばらです。
靴産業の街と言うことで、メインストリートにも台金(靴屋さんでも最近の若い子は台金を知らなかったりします。。。)をモチーフンにした像があったりと靴好きにはたまらない雰囲気です。

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往時には200以上の靴メーカーがあったと言われています。
ノーサンプトンと言えば現在では俗に言う高級靴の産地として有名ですが、その頃は大半がセメンテッド製法の安価な靴を製造するメーカーだったそうです。
その後イタリア、東欧、中国などから安価な靴が大量に輸入されるようになり、ほとんど潰れてしまいました。
現在ノーサンプトン市内にあるメーカーはたったの5社。トリッカーズ、クロケット&ジョーンズ、エドワードグリーン、チャーチ、ジョンロブのみとなっています。
アルフレッドサージェントやチーニーなどは正確にはノーサンプトンシャー、ノーサンプトンの郊外にあります。
それらを合わせても20社にも満たないと思います。
良い物をきちんと作るって大事なんだな~、とつくづく思いますね。

さて駅から10分~15分ほどメインストリートを歩いた先にNORTHAMPTON MUSEUM AND ART GALLERYがあります。

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よくノーサンプトン靴博物館と紹介されていることがありますが、靴専門ではありません。
もちろん靴の展示がメインにはなっていますが、あくまでノーサンプトンに係ること全般を展示した博物館です。
今回は靴だけに絞って気になった物をご紹介しますね。

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まずはこちら。
おんぼろ靴です。
何でもイギリスでは家を建てた際に験担ぎで靴を床下や壁、煙突の中に隠す風習があったそうで、これは18世紀頃のものだそうです。
マッケイ製法っぽいですね。。。

お次は綺麗な物を。

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1900頃に作られたブラックパテントとディアスエード(鹿革のスエード)を使った美しいロングブーツです。
製作は何とクロケット&ジョーンズ!
当時の展示会に飾るためのサンプルらしいです!
しかしカッコ良いですね~!

続いてはこちら!

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これあるスポーツの競技用の靴なんですが、何だか分かりますか?
正解はラグビーです!
作られたのは1930代頃だそうで、生産は何とG.Tホーキンス!
30代、40代の方ですとC.WニコルさんがCMに出ていた安いトレッキングシューズのイメージでしょうが、どっこい昔は良い靴を作ってたんです!
工場はトリッカーズの斜め向かいにあり、現在も建物は残っています。
由緒ある英国王室ご用達メーカーの証ロイヤルワラントまで持っていたんですよ!
最近まで廃工場の壁に貼ってありましたが、数年前には外されていました。。。(;^_^A
私も英国製のホーキンスを持っていますが、当時エドワードグリーンが6.8万円程度だった時代に6万円くらいで買った記憶があります。

私の大好物コンビシューズももちろんあります。

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上がネイビーとベージュのオックスフォード。
これはカッコ良い!
今度うちのClaireを使って作ってみようかと思っています!
ドレッシーなのに外はと目と言うのが珍しいですね。
因みに作られたのは1920年代。
マウントファクトリーと言うメーカーで現在は残念ながら無くなってしまっています。

下はブラック&ホワイトのエプロンダービー。
最近採用するところが少ない落しモカと呼ばれる内側が下に来るモカを採用しています。
こちらは1930年代製。
作っているのはパドモア&バーンズと言うメーカーで、デザートブーツやワラビーで有名なクラークス社の傘下でこれらの靴の製造を行っていました。
現在はノーサンプトンから拠点を移してはいますが健在です。

他にもトリッカーズなど現在も存在しているメーカーの古い靴があったりするので、探してみるのも面白いと思います。

ノーサンプトンミュージアムには靴本体以外にも靴の生産に係る面白いアイテムを見ることが出来ます。
例えばこちら。。。

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現英国女王エリザベス女王の子供時代の木型です。
子供のころからビスポークなんですね。
当たり前か。。。(;^_^A

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こちらは革を木型に合わせる、いわゆる釣り込みの機械です。
上部にWELTって書いてありますね。

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こちらは詳しいことは分かりませんが、ロングブーツの成型に使う機械のようです。

相当マニアックになりますが、靴の部材もございます。
こちらはハーフラバーの部材たち。

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スタッズパターンのハーフラバーでありそうでないですね。
昔のイギリス人はとにかく修理して履いていたようなので、修理部材は今より豊富だったのかもしれません。

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こちらはヒールのコーナー。
レザー&ラバーのトップ部材は現在でも多くのメーカーが使用していますが、レザー&メタルと言うのは見たことがありません!
これは減らないですね~!
歩く時うるさそうですが。。。
丸いのは何でしょう?
私のも分かりません。。。

とまぁ靴好きにはたまらない内容になっています、ノーサンプトンミュージアム。
靴博物館を名乗ってもおかしくない充実っぷりです。
ロンドンへ行くことがあったら1日あれば十分見て回れるので足を運んでみては如何でしょうか?

では次回はいよいよ20回目!
重大ニュースがございます。
お楽しみに!

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by brosent | 2017-08-13 18:07 | 革靴