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コラム『紳士靴のトゥのデザインのお話』

こちらのエキサイトブログではサイトの過去のブログから厳選してお送りしています。



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こんにちは、BROSENTの清水です。
皆さんの靴を買う時の選択基準第1位は何ですか?
デザイン、色、シルエット、ブランド、履き心地など色々有ると思います。
ですが敢えてこの中で第1位を選ぶとしたらやはりデザインでしょうか?
お買い物をする際お店で店員さんに『〇〇〇を探しているんですけど。。。』と言う時、デザイン名を知っていると何かと便利です。
『ん!出来る!』と思われればそれ相応の対応もしてくれるはず(?)です。
本日は靴のつま先のデザインについてお話したいと思います。
なるべく多く靴の専門用語を入れていきますので、良かったら覚えておいて下さい。
靴に詳しい方にとっては当たり前の話になりますが、ご興味の有る方は是非お付き合いください。

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まずは最もシンプルなデザインから。
つま先に何もデザインが入っていないものをプレーントゥと言います。


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上の写真の違い分かりますか?
靴紐を通す部分=レースステイ、フェイシングのデザインが異なります。
上を外羽根式=ダービー(英)、ブラッチャー(米)、下を内羽根式=オックスフォード(英)、バルモラル(米)と呼びます。
外羽根の方がややカジュアルな雰囲気となります。
靴の名称を言う場合は『外羽根式プレーントゥ』とか『外羽根のプレーントゥ』、かっこを付ける場合は『プレーントゥ・ダービー』などと呼びます。


続いては日本では一文字と呼ばれるデザイン、ストレートチップです。

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まずストレートチップと言う名称ですが、海外では呼びません。
海外ではキャプトゥと呼びます
上に3種類のキャップトゥの写真がありますが、一つずつ微妙に異なります。

上が何も飾りのないタイプで【内羽根式キャップトゥ】【内羽根式ストレートチップ】と呼びます。
真ん中はパターンの端だけに小さな穴飾り=パーフォレーションが入ったキャップトゥです。
これは海外でも呼び方がマチマチです。
『パンチドキャップトゥ』と呼ぶメーカーもあれば『キャップトゥ・ウィズ・パンチング』と呼ぶ所もあります。
日本では『パーフォレーションが入ったキャップトゥ(ストレートチップ)』で良いと思います。
下は真ん中の『パンチドキャップトゥ』につま先の穴飾り=メダリオンが入ったタイプで『クウォーターブローグ』と呼びます。
靴屋さんで呼ぶ場合は『内羽根のクウォーターブローグ』とか『内羽根のメダリオンが入ったキャップトゥ』と呼べば良いと思います。
これらもプレーントゥ同様内羽根式と外羽根式が存在しています。


続いてはウイングチップ、昔はオカメと呼ばれたデザインです。

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これが一番バリエーションが多いデザインかもしれません。
上が一般的なウイングチップです。
ただしこちらもストレートチップ同様和製英語です。
海外では『フルブローグ』と呼びます。
靴屋さんでは『内羽根式のフルブローグ』『内羽根式のウイングチップ』と呼びましょう。
中はフルブローグから穴飾りを排除したデザインで、『ブラインドブローグ』と呼びます。
『内羽根式の穴飾りの無いウイングチップ』でしょうか。
下は『フルブローグ』の1種ですが、つま先のウイング状のデザインが、ヒール方面まで伸びたデザインが特徴で、これのみ『ロングウィング』と言う名称が付いています。

『フルブローグ』系には他にもこんな亜種があります。

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上はウイングが後方に伸びずすぐに下に落ちる小型の羽根が特徴のデザインで『ショートウィング』と呼びます。
海外ではデザイン名無いと思います。。。
下はウイングに似ていますが、ひし形の意匠が特徴で『ダイアモンドキャップ』などと呼ばれています。
どちらも比較的高額ブランドでの取り扱いが多いマニアックなデザインです。
靴屋さんでは『内羽根式のショートウィング』『外羽根式のダイアモンドキャップ』と呼べばよいと思います。

最後が日本でユーチップと呼ばれるデザインです。

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つま先のシルエットに沿って切り返し=モカが入ったデザインが特徴です。
これまたユーチップは和製英語で、海外では『モカシン・ダービー』などと呼ばれます。
このユーチップのみ一部の例外を除いてほとんどが外羽根となります。
ですので『ユーチップ』のみで通用すると思います。
『モカシン・ダービー』と呼ぶと店員さんに『???』とされると思うのでご注意ください。
亜種として下の写真の様な『ブイチップ』と呼ばれるものもあります。

以上が大体の靴のデザインです。
覚えておくと靴を探す時に便利。。。かもしれません。
ではまた。


※2017年10月26日掲載

by brosent | 2018-06-17 19:16 | 革靴