コラム『染替えの基本~この靴出来る?出来ない?』

こちらのエキサイトブログではサイトの過去のブログから厳選してお送りしています。



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こんにちは、BROSENTの清水です。
先日当サイトの『革の染替え』のページに『染替えが出来るものと出来ないもの』を掲載しましたが、念のためこちらのブログにも掲載したいと思います。
染替えを検討されている方は是非参考になさって下さい。


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まずBROSENTの染替えについて話しましょう。
BROSENTの染替えは全て染料を使って皮革内部から染めていきます。
その為革が本来持つ独特の雰囲気を壊すことがありません。


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お店を始めてから周りの話を聞いていると、どうも『染替えやってます』と言う店舗の多くは革の表面に顔料を吹き付けている所が多いみたいです。
確かに技術はそんなにいらないですし、大概の革に出来ちゃうので多いのも頷けます。
ですがこれ弱点があって、履きじわ等動きの多い箇所が割れてくる可能性があるんです。
一方染料の場合色の調整など経験と技術が必要になります。
天然皮革が相手ですから同じようにやっても毎回同じ様に仕上がるとは限りません。
ですので毎回調整が必要なんです。
また吹き付けるのではなく、革の内部に浸透させなければならないので、染料=水分を弾く革は染替えがしづらく、ないし出来ない物も出てきます。
と言う訳で、今回は素材別に見る『この靴は出来るの?出来ないの?』をご紹介致します。

あ、まず基本の基本ですが、≪染替えは薄い色から濃い色への変更≫となります。
ブラックをブラウンにすると言ったことは出来ません。
ブラウンからネイビーやグリーンになどは元の色の濃さによって出来たり、出来なかったりするのでその辺りはご相談ください。

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では行ってみましょう。
一番やりやすいのが革の表面をコーティングしていないスムースレザーです。


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見分け方は『アンティーク加工』が施してある革、『何となくムラ感がある』革はこれの確率が高いです。


続いては顔料仕上げの革です。


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この革は出来る場合と出来ない場合があります。
写真の白革のように厚く仕上げられていると出来ません。
薄い仕上げの場合は除去してから染め変えることが出来ます。
実はこの革皆さんが思っている以上に世に出回っています。
細かい傷や血管の跡などを誤魔化せる=革を無駄にしないで使えるため多く使用されているのだと思います。
見分け方は『色にムラ感が無い』『妙にハイシャインがしやすい(水分が入らないのでやりやすいんです)』と言ったところでしょうか。
ちょっと一般の方では見分けるのは難しいかもしれません。
靴屋さんでも見分けられる方少ないかもしれない位なので。。。


続いてはガラス革です。


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これは残念ながら染替えは出来ません。
革の表面を合成樹脂でばっちり覆ってしまっているので、染料が浸透しないのです。
また除去することも出来ません。
見分け方は『プラスチックのような光沢』があることです。


ガラス革より更に厳しいのが。。。


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パテントレザー、所謂エナメルです。
こちらもガラス革同様ウレタンなどの樹脂でコーティングしてある為、染料が染み込みません。
残念ながらこれもアウトです。
これは見れば誰でも分かりますね(;^_^A


続いてはカーフに続いてご依頼の多いコードヴァンです。


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これは可能です。
一部顔料加工を施したコードヴァンもありますが、過去の例から見ると除去可能な範囲です。
ただ色が濃い物が多いので同色による染直しか、黒や濃いネイビーなどへの変更しか出来ません。
あ、因みにウイスキーなど薄い色のコードヴァンが何故少ないかと言うと、裏面(コードヴァンは裏革です)をローラーで潰す際にどうしても埃などが入ってしまい、汚れが付いちゃうんです。
その汚れが目立ってしまうため薄い色のコードヴァンってタンナーさんが作りたがらないんです。
豆知識でした(^_^)v


続いてはオイルレザーです。


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これは大概大丈夫です。
ただオイルが染料を弾く事があるので、結構染料の量を増やす必要があります。
その為ライニングへの色抜けが起こる可能性があります。
また仕上がりは少し光沢が出るので、オイルレザーのマット感が好きな方は避けた方が良いかもしれません。
見分け方は≪裏から指で押して、押した部分が白っぽくなる≫ようならこの革の可能性が高いです。


最後はスエードです。

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これも出来る場合と出来ない場合があります。
そもそもスエードは色ブレが起こりやすく、安定した色が非常に出しづらいです。
またライニングへの色抜けの可能性もスムースと比べ遥かに高くなります。
なのでそれらを防止するためにかなり濃い色への変更が条件となります。
これは見分け方はいらないですね(;^_^A
染められるか染められないかはちょっとご自身では判断できないと思うので、ご相談ください。


最後にコンディションの悪い革は染替え出来ない場合もございます。

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クラック(ひび割れ)などから一気に染料が入ってしまい、その部分だけ濃くなってしまったりしてしまいます。
また革が劣化していると染替えの作業自体に耐えられない可能性があります。
この辺りの判断も分からなければ是非ご相談ください。


と色々と書きましたが、『分からなければ相談する!』が一番だと思います!!
是非お気軽にお問合せ下さい!!



by brosent | 2019-01-20 19:30 | 革靴